抄録
CT colonography(以下CTC)による大腸がん一次スクリーニングの検査精度について検討した。対象は2009年7月から2011年11月までCTCによる大腸がん一次スクリーニング検査を施行した1,209例で, 要精査となり全大腸内視鏡検査を施行した60例の精査結果を基に, 病変の部位, 大きさ, 肉眼型別における検出能を検討した。部位別感度は上行結腸92.9%, 横行結腸86.7%, 下行結腸66.7%, S状結腸100%, 直腸100%であった。大きさ別感度は6~9mm 85.3%, 10~19mm 100%, 20mm以上 100%であった。肉眼型別感度は, 無茎性Is 93.8%, 亜有茎性Isp 100%, 有茎性Ip 100%, 表面型隆起型IIa 40.0%であった。発見された大腸癌は3例(M癌2例, SM癌1例)で, 癌発見率0.25%であった。CTCによる大腸がんスクリーニングは新しい有用な大腸がん検査となり得ると考えられる。