日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
宮城県対がん協会における胃X線検診後のバリウム排泄管理対策の新たな取り組み
三浦 和美加藤 勝章千葉 隆士中川 知恵齋藤 千晴佐々木 政子島田 剛延渋谷 大助
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キーワード: 胃X線検診, 偶発症, バリウム
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2016 年 54 巻 6 号 p. 1075-1081

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抄録

腸閉塞や腸穿孔は稀だが重篤な胃X線検診の偶発症であり, その予防のためには検査後は速やかにバリウムを排泄することが重要である。宮城県対がん協会では検査後の確実な下剤内服を図る目的で, 平成25年度の胃集検から排便状況, 以前の下剤効果を問診の上200%高濃度低粘性バリウム130ccに予め0.75%ピコスルファート内用液1cc・0.5cc・0cc(代わりにセンノシド®錠2錠与薬)を選択して混合する液状下剤混合バリウム法を開始し, さらに, 予備にセンノシド4錠を与薬し, バリウム排泄や腹部症状に関する受診者からの電話相談には医師・看護師が24時間体制で対応することにした。平成25年度は排泄遅延や予備下剤の服用に関する相談が349件/186,887人あったが, 平成26年度には188件/182,147人に減少し, 平成25・26年度とも腸閉塞・穿孔の発生はなかった。高齢受診者が多い市町村検診では厳重なバリウム排泄管理が望ましいと考える。

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© 2016 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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