日本消化器がん検診学会雑誌
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総説
エビデンスに基づいた大腸CT検査の位置づけ
永田 浩一遠藤 俊吾平山 眞章金澤 英紀高林 健安田 貴明松本 啓志歌野 健一松田 尚久斎藤 博
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2017 年 55 巻 2 号 p. 175-183

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抄録

大腸がん検査における大腸CT検査の位置づけを本邦のエビデンスから検討した。
UMIN2097, 6665では全大腸内視鏡検査をゴールドスタンダードとして大腸CT検査の6mm以上の腫瘍性病変に対する精度を評価し, 全大腸内視鏡検査に対し非劣性であることが証明された。UMIN9278では逐次近似応用構成法を活用することで, 実効線量が0.46mSvと従来の25%程度の超低線量撮影でも画質が担保されることが判明した。UMIN8690では腸管の良好な拡張にガス自動注入器は有効であったが, 鎮痙剤の使用は寄与しないことが判明した。
大腸CT検査は精検法としての十分な精度が示されており, 被ばく線量は十分に低いことから指針に組み込まれるべきで「精密検査を全大腸内視鏡検査で行うことが困難な場合は, 大腸CT検査あるいは, S状結腸内視鏡検査と注腸X線検査の併用法のいずれかを実施する。」と変更することが妥当と考えられた。

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© 2017 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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