日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
H.pylori診断におけるH.ピロリ─ラテックス「生研」及びH.ピロリIgG「生研」の有用性の検討
権頭 健太高橋 悠山道 信毅柿本 光和田 亮一光島 徹
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2017 年 55 巻 4 号 p. 547-554

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抄録

胃癌の最大のリスク因子とされているHelicobacter pyloriの感染診断には血清抗H. pylori抗体検査が広く用いられている。Eプレート‘栄研’H.ピロリ抗体II(以下E-plate), H.ピロリ-ラテックス「生研」(以下Denka Ltx), H.ピロリIgG「生研」(以下Denka EIA)の3種類の抗体検査試薬の診断精度を検証する目的で, 単一医療機関の人間ドック受診者において上部内視鏡検査及び胃X線検査によるH. pylori感染診断との比較解析を行った。
902人の解析対象においてH. pylori感染診断の感度は, 内視鏡検査を基準とするとE-plateの83.3%に対して, Denka Ltx, Denka EIAは87.6%(P=0.0076), 86.8%(P=0.0126)と有意に高く, また内視鏡及び胃X線検査を基準とするとE-plateの89.5%に対して, Denka Ltx, Denka EIAは93.7%(P=0.0124), 92.8%(P=0.0209)と有意に高く, Denka Ltx, Denka EIAのH. pylori感染診断における有用性が示唆された。

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© 2017 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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