2017 年 55 巻 4 号 p. 555-559
症例1は60歳代男性, 定期健診目的(ドック)に来院し, 大腸内視鏡検査施行。下行結腸口側に粘膜下腫瘍様に盛り上がった浮腫状粘膜がみられ, その中心部にアニサキス様の虫体を認め, アニサキスによる変化と考えた。
症例2は70歳代男性, 定期健診目的に来院し, 大腸内視鏡検査施行。症例1と同様に下行結腸中部に粘膜下腫瘍様に盛り上がった浮腫状粘膜がみられ, 同部位にアニサキス様虫体を認めた。いずれも内視鏡的に摘除した。2例とも数日前に生魚を摂取しており, また自覚症状は認めなかった。我々は無症候性アニサキスに対して内視鏡的に摘除を施行した2例を経験したので報告した。