2018 年 56 巻 5 号 p. 589-596
目的:間接胃集団検診の検査直前の禁煙による偽陽性者の減少効果を検討した。平成27年度に当健診センターで施行した間接胃集団検診の受診者5103名を対象とし, 受診時の問診内容から受診者の喫煙習慣と直前休煙時間を確認し, 検査直前の48時間以上の禁煙の達成が陽性判定率に与える影響についてχ2乗検定と二項ロジスティック回帰分析を用いて検討した。
結果:喫煙者では, 検査直前48時間以上の禁煙達成者は陽性判定者が4.8%, 非達成者では15.9%と, 検査直前48時間以上の禁煙は偽陽性判定を有意に減少させた。
考察:喫煙者の検査直前48時間以上の禁煙実施は, 間接胃集団検診後の不要な二次受診の削減に有用と思われる。
結論:間接胃集団検診の検査直前48時間以上の禁煙実施は偽陽性判定を有意な減少に貢献した。この結果を喫煙者に周知することで喫煙の害に対する理解を深め, ひいては禁煙実行のファーストステップとしたい。