日本消化器がん検診学会雑誌
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非アルコール性脂肪肝 (NAFLD) 症例の肝機能正常群と異常群における背景因子の検討
田中 志乃八木 順子有馬 範行渡辺 誠
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2006 年 44 巻 3 号 p. 292-297

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抄録

近年, 脂肪肝も良性疾患とはいえず, 進行性の疾患であると言われている。進行した脂肪肝の臨床的特徴を知る目的で, NAFLD患者を肝機能正常群 (400症例) と異常群 (288症例) に分けて背景因子に関して検討した。単変量解析では異常群で年齢が若く, 男性に多く, BMI, 拡張期血圧, 空腹時血糖, HbA1cが有意に高値であった。多変量解析では, 男性であること, 空腹時血糖が高いこと, 年齢若いことが有意な危険因子だった。男女別の多変量解析では, 男性は年齢が若いこと, BMIが高いこと, 空腹時血糖が高いことが危険因子であった。女性は収縮期血圧が高いことのみが危険因子であった。NAFLD患者の肝障害の発症に関して加齢に伴う変化ではないこと, 女性は他の因子が関与していることが示唆された。

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© 社団法人 日本消化器がん検診学会
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