図学研究
Online ISSN : 1884-6106
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液晶式立体視システムを用いた中・低得点者への切断面実形視テスト
―透視図MCTとの比較を中心に―
堤 江美子椎名 華奈子山内 恭子須崎 彩子斉藤 孝明鈴木 賢次郎
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32 巻 (1998) Supplement 号 p. 127-132

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抄録

本研究では、従来、MCT得点が男子に比較して低いとされている女子を対象に、MCTの問題図を立体視させることによって誤答傾向がどのように変化するのか、つまり、立体視が解答に及ぼす影響という側面から、MCTの誤答原因を明確にすることを試みた。調査結果によれば平均得点では立体視MCTと従来の透視図MCTとの間に有意差は見られなかった。しかし、個々の問題の正解率については、正解率が中程度以下 (20~70%) のパタン判別問題において、立体視によって正解率が有意に増加した問題がみられ、問題毎の何らかの特徴が立体視によって改善されている事がわかった。誤答選択肢の分析から、立体視MCTの成績は、透視図MCTの場合と同様に3次元立体のイメージ生成・加工、および分析的考察能力に関係していると推察されたが、立体視したことで、主に3次元立体のイメージ生成能力が補完されたと考えられる結果が得られた。裏返せば、MCTの成績は3次元立体のイメージ生成能力を反映していると考えらる。ただし、複雑なイメージ加工処理過程では立体視は効果を持たなかった。また、特に低得点の者では、立体視しても立体のイメージ生成が不完全で、立体や切断面を正しく認識できず、提示された図を漠然と認識する傾向があることが示された。

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