35 巻 (2001) Supplement 号 p. 133-138
2000年度本部例会では「ソ連のピラネージ」とも呼ばれるチェルニホフをとりあげ, その集大成ともいうべき書『建築的ファンタジー』に掲載された軸測投象の図版を分析し払分析は, 1) 同書の構成2) 白黒図版の軸角度3) 縮率の算出から行われ以下のことがわかった.1) 軸測投象と透視投象双方の使用が認められる. 2) 軸測投象に関しては, カヴァリエ投象, ミリタリ投象, 等測投象以外の軸測投象が多用される. 3) 軸角度から算出される主軸方向の縮率と円弧の表現から算出される縮率が異なっている. したがって, 軸角度とは独立に主軸方向の縮率が使用されている可能性が高い本研究では, その結果を踏まえて, 『建築ファンタジー』に先だって出版された『建築および機械形態の構成』の図版を同様に分析した.その結果, 『建築ファンタジー』とやや異なる結果を得た. すなわち, 1) 軸角度から算出される縮率比は, 5パーセントの誤差範囲内で最大値を1として小数点一桁の値に近似できる. 2) 『建築ファンタジー』の分析で指摘した円弧の表現と軸角度から算出される縮率の相違は約2から4パーセントである. 3) 以上から『建築および機械形態の構成』の軸測投象はほぼ正しいといえる.