図学研究
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CSGモデルに対する擬似モルフォロジー演算
佐藤 尚
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2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 47-52

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抄録

最近、時間進行につれて形状が変化する現象のCGによる再現の研究が行われている。これらの研究は、物理モデルに基づくものと現象学的なモデルに基づくもの2つに大別することが出来る。物理モデルに基づくものとしては、セルオートマントを利用したものがあり、現象学的モデルに基づくものとしては、Mathematical Morphology (モルフォロジー) に基づく形状変形オペレータを利用するものである。そして、物体形状をボクセルモデルで表している。一般のCG映像制作において利用するためには、ボクセルモデルではなく、ポリゴンモデルなどに対しても適用できる手法であることが望ましい。
本論文では、モルフォロジーに基づく形状変形オペレータと似たような効果を持つ操作を、CSG演算を利用して実現する手法について述べ、その実現を試みる。ここで対象にした形状変形オペレータは、dilation、erosion及びこの二つのオペレータである。この二つのオペレータを合成して得られるopeningオペレータに対応した擬似的な操作を利用して、経時変化に伴う物体形状の変化を表現する。この手法では、実際に物体形状を変形するのではなく、レンダリング時に擬似的に物体形状の変化を計算し、それに基づいて表示を行う。

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