図学研究
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児童の発達と図形の感性評価に関する研究
本郷 健近藤 邦雄
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2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 53-56

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抄録

図形の感性評価に関する研究は、成人を被験者としたものがほとんどで子供を被験者としたものは少ない。そこで、本研究では単純図形の印象形成と児童・生徒の発達との関係に検討を加えようとするものである。
実験では、底角を独立変数とした面積一定の三角形を被験者に提示して、図形から受ける印象を用語を使って5段階評価尺度で評価した。印象語は、28語からなる測定項目で構成され、「美一繊細」、「目立ち」、「カジュアル性」、「洗練性」、「保守性」の5つの次元をもつものである。被験者は、小学校5年生 (10~11歳) 、中学校2年生 (13~14歳) 、高等学校1年生 (15~16歳) の3つのグループから構成された。分析では、児童・生徒の3つのグループと先行研究における成人グループとの比較を行った。この結果、次のことが分かった。印象語の各次元への分布は発達段階により異なっていた。特に、小学校5年生の印象語の次元への分布は、成人の場合を基準としたとき、他の学年に比べ未分化の状況にあることが分かった。中学校2年生と高等学校1年生の印象語の次元分布は、成人の次元分布へほぼ同じ程度で近づいている。印象語の底角の変化に対するイメージスコアのいくつかは、小学生5年生の段階から成人の場合と同様の傾向を保持していることがわかった。印象語に対する評価の明瞭性は発達段階とともに明確になる傾向がある。

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