図学研究
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コンピュータを用いた回転対称による画像生成について
横山 弥生
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2002 年 36 巻 Supplement 号 p. 1-4

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抄録

本研究は、回転対称により単一画像から数多くの異なったパターンの画像を生成する方法を考察し、その結果から得られた方法により、制作した作品例を示すものである。繰り返しの作業を得意とするコンピュータがCGの表現の世界を拡げた最たるものにフラクタルが上げられるが、雪の結晶などを表現する際に応用される回転繰り返しの方法は、繰り返しのパラメータの変化で、時に万華鏡のような思いもよらぬ美しさを結果として示してくれる。
本研究の回転対称の工程は、縦横比が同一の画像の中心からその一部の角度を決定して切り取り、その切り取った画像に反射する対称軸のパラメータを決定するというだけのきわめて単純な方法である。しかし、繰り返しの作業を得意とするコンピュータを用いることにより、異なるイメージの回転対称の画像を短時間のうちに得られるのが利点である。
この方法を応用した作品制作は、制作の時間を忘れてしまうほど熱中できるものであったが、数多くの画像の中から作品としての美しさを選択する判断力が制作工程の中で多分に要求されるものであった。

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