図学研究
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数理形態学を用いた毛筆表現
寺尾 正孝佐藤 尚
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キーワード: 数理形態学, 用筆法
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2006 年 40 巻 Supplement2 号 p. 51-54

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抄録
本論文では, 数理形態学 (Mathematical Morphology) の演算を使用して, 毛筆による自由描画の実現方法を述べる。今回の研究で考案した手法は, 数理形態学の基本演算のひとつであるdiationを適用してできる楕円形のブラシをマウスで自由に動かすことで「点」, 「線」を表現し, 書道特有の用筆法である「とめ」, 「はね」, 「はらい」はdilationを適用した円形のブラシを用いることで表現した。また, ブラシは通常, 筆の進入角度として適当な45度に傾かせているのだが, 右下などにマウスを動かすと極端に筆が細くなってしまう。そこで, マウスの軌跡から一次関数を見出し, その一次関数の傾きによって筆の進んでいる方向を検知して, その傾きが正か0のときは, 描画する筆を45度傾けたものにして, 傾きが負のときは, 描画する筆を90度傾けたものにすることで筆の太さを調節するようにした。
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