図学研究
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3次元空間の2次元表現―20世紀初頭の軸測図表現における奥行き概念
加藤 道夫
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42 巻 (2008) Supplement2 号 p. 21-24

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抄録

本研究では, 20世紀の初頭, 特に1920年代に顕著な軸測図の利用について, 奥行き概念の観点から検討を行った.その結果をまとめると以下のようになる. 1) 軸測図における「奥行き」を線遠近法の拡張として再定義することにより, 「軸測図」における〈奥行きの不在〉を導出した. 2) 20世紀初頭, 特に1920年代における軸測図の普及の様態を, バウハウス, デ・スティル, ル・コルビュジエらの使用によって例証した. 3) 〈奥行きの不在〉において, 「平面実形斜軸測図」を採用が不在化したのは, 鉛直方向に限られたものであり, そこから, 建築の特性である水平方向への展開との関連を指摘することができた. 4) 直軸測図の採用からは, 内部へと収斂する自己完結のイメージへの連鎖が認められ, その内向性は, 自己参照への希求の現れであり, 最終的に「事物」ではなく「構成」を表象対象とする近代芸術の特性と関連することが導出された.

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