日本在宅血液透析学会誌
Online ISSN : 2435-2519
学会報告
在宅血液透析(HHD)施行家庭における原水と逆浸透水における生物学的汚染度について
宮平 純一久保 哲哉一色 啓二富田 一聖富田 耕彬
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2021 年 2 巻 2 号 p. 62-64

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抄録

在宅血液透析(HHD)で使用される逆浸透水(RO水)はその使用が間歇的であるため水質管理が困難である.また各家庭におけるRO水質の生物学的汚染度にはばらつきがあるが,その原因は明らかではなく,原水の水質がRO水の水質に影響を及ぼしている可能性がある.当院でHHDを行っている8名の患者の家庭において原水とRO水の細菌数,ET(エンドトキシン)濃度を月に1回測定し,その相関について検討を行った.結果,細菌数は原水よりRO水の方が多く,ET濃度はRO水より原水の方が高い傾向にあったが,細菌数およびET濃度ともに原水とRO水に相関は認められなかった.これらの結果より,個人用RO装置内における細菌汚染のリスクは否定できず,透析液の清浄度を担保するには個人用透析装置のエンドトキシン捕捉フィルタに頼らざるを得ないと考える.

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© 2021 一般社団法人 日本在宅血液透析学会
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