民族衛生
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青年期婦人の發育に關する体質形態學的研究
荻野 彰久
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1954 年 21 巻 1 号 p. 13-39,A1

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抄録

我々は小標本の統計理論によつて,女学生群及び女工群について,それぞれ身体発育及び身体比例の変化を追跡し,又女学生群と女工群とを比較して,前節で述べたような成績を得た.それを綜合して得た結論と我々が新に見出したと信ずる点を次に述べる.
1.女学生群は狹長型に女工群は短広型に傾いている.従つて女学生群と女工群とに於ける差異は体型的差異と見做し得るものと考へる.
3.短広型の者(女工群)の此の期間(12~18才間)の発育は長育,幅厚育共に狹長型の者(女学生群)より強大である.
3.短広型の者(女工群)の此の期間に於ける身体比例の変化は狹長型(女学生群)のそれに比して短広型の度を一層強める方向に向つている.
4.狹長型の者(女学生群)の身体発育及び身体比例の変化は短広型の者(女工群)のそれより1~2年早い.
5.短広型の者(女工群)では胸囲と腰囲との発育の比率は大体平行しているが,狹長型の者(女学生群)では胸囲の発育の率は12~l4才間は腰囲のそれに劣り,それ以後は僅かに優る傾向を示している.
6.胸囲及び腹囲の発育の型は同じで且つ身長との比例の変化も同型であり,胸囲及び腹囲の発育最強期は身長発育のそれより一年遅れてあらはれる.
7.腹囲の発育及び体型的差異は比体重の変化とよく一致している.
8.腰囲,腰幅,腰厚の発育及び身長との比例の変化は同一型を示し.腰囲の発育最強期は身長のそれと一致している点は胸囲及び腹囲と違う.

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