民族衛生
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監督者を信号時計に置きかえた場合のクレペリン-内田連続加算法の成績について
山内 美子
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1956 年 22 巻 4 号 p. 111-118,A4

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抄録

1.地方の女子短期大学学生中,正常者4例につきクレペリン内田法による精神作業検査を行つた.時間の信号方法として通例の口頭でするもののほかに,特に考案した信号時計を用いる方法を試みた.検査は2週間に亘つて4回,その第1,3回は口頭信号,第2,4回は時計信号によつた.
2.口頭信号と時計信号とでは初頭努力の現われ方に差のある場合が認められた.すなわち口頭信号では初頭努力の著しくない場合およびこれを欠く場合があつたが,時計信号ではそのようなことを見なかつた.
3.その他の点では口頭信号と時計信号とで取り立てて云うべき差異は認められない.
4.個々の場合の作業曲線の中にも,また集約的な4人の平均作業曲線(特に時計信号の場合の)にも休憩前作業の途中に一過性の高まり(小丘形成と呼んだ)が見られる場合がある.このような作業能力の動揺は正常的なものと考える.

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