民族衛生
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アフガニスタン・カブール結核センターの患者の地理的分布と移住歴
―カブール市における結核の疫学に対する移住の影響―
古知 新アジザ アブドウラー鈴木 継美
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1980 年 46 巻 4 号 p. 205-210

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抄録

 1978年7月にアフガニスタン国カブール市のカブール結核センターを訪れた新来患者648名と,同センターで在宅のまゝ治療を受けている患者の一部,130名について,その地理的分布,移住歴を調査した. 1) 新来648名中444名はカブール市在住者であり,残りはアフガニスタンを構成する26県のうち23県に分布していた.治療中患者はすべてカブール市在住者であった. 2) カブール在住者を転入者とカブール市生れの者に2分して観察すると,在宅治療者における転入者の割合は新来者における当該割合より人きかった.たお新来者における割合はカブール市全人口における転入者割合とほゞ等しかった. 上記の結果から,カブール市出生者よりも転入者に結核有病率の大きい可能性を論じた.

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