1985 年 51 巻 5 号 p. 224-238
ルソン島ラグーナ,バイ地区において,フィリピン大学が実施している総合地域保健計画の一環として,食生活実態調査を行った。食物消費構造とその要因を検討し,それらに影響を及ぼすと考えられる社会経済的要因についても検討した。熱量源となる食品の過剰摂取,体組成・調整源となる食品の摂取不足があった。13組の補完食品と2組の競合食品が抽出され,それらの関係が該地区の社会経済的要因で説明される.また,該地区の食生活を特長づける3大食品が抽出された.これらの知見を用いて該地区の食生活改善を有効に進めることが可能である.一層の改善効果のために包括的栄養対策が重要であるといえる.