抄録
キャベツの収穫適期を判断する一つの指標である大きさを非破壊, 非接触で測定することを目的に, 画像処理技術を用いた結球抽出手法を開発し, その手法の評価および検討を行った.
外葉と結球の間に生じる影を認識することにより, 結球を抽出する画像処理手法を開発した.2値化処理の閾値の最適値は5-10であった.キャベツが収穫適期に近づくにつれ, 抽出率は上昇した.全体の抽出率は92.5%であった.画像データの読み込みを除いた結球抽出処理にかかる時間は, 2.2秒であった.
抽出画像の投影面積から算出される処理直径は, 結球の大きさを判断する指標とすることができた.キャベツが収穫適期に近づくにつれ, その精度は上昇し, 収穫適期における誤差は, 平均1.1mm, 標準偏差13.6mmであった.
開発した画像処理手法のみにより収穫適期の判断を行った結果, 収穫適期の個体のほぼ半数について自動的に判断を下すことができた.画像処理による収穫適期の自動判断の可能性を明らかにした.