保健医療社会学論集
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コメント:当事者からみる医療事故と保健医療社会学 : 市民的合理性とlaypersonの視点の必要性(シンポジウム「当事者からみる医療事故と保健医療社会学」,<特集>第35回大会(2009年度)熊本大学)
朝倉 隆司
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2010 年 20 巻 2 号 p. 20-25

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抄録

当事者、すなわち医療被害を受けた患者の家族や医療裁判に係わられた医師による、それぞれの体験に基づいた医療事故とその裁判、医療ADRに関する講演を受けて、4つの観点からコメントを行った。すなわち、1)医療界、法曹界における専門職や専門機関のあり方の問題、2)専門家とlaypersonあるいは非専門家の関係性、3)日常生活のリアリティと市民的合理性、4)医療事故や医療過誤の当事者の語り、である。そして、このテーマに関する保健医療社会学の課題は、実証研究、理論研究を通して、保健医療のフィールドで専門家と非専門家とのインタラクションによって起こる様々な現象について、専門家の世界と日常生活者の世界のギャップを埋める架け橋の役割を果たすことだと考える。

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© 2010 日本保健医療社会学会
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