保健医療社会学論集
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看護・介護部門における人材育成型受け入れの問題点 : 経済連携協定の事例から(シンポジウム「外国人労働者の参入をめぐる介護・看護マンパワーの不足と偏在-インドネシア人看護師らの現状と抱える問題」,<特集>第36回大会(2010年度)山口県立大学)
安里 和晃
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2011 年 21 巻 2 号 p. 53-64

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抄録

候補者は経済動機というよりも、スキルの習得や経験といった社会的動機により来日している側面がみられる。受け入れ機関も人材不足の解消やコストの削減のためというよりも、将来へのテストケースとして受け入れを位置付けており、受け入れ効果としてコミュニケーションや利用者からの評判、チームワークなどについては肯定的な評価が与えられている。こうしてみると候補者と受け入れ側に齟齬はなさそうである。しかし、国家試験や就労に必要な日本語の習得が重要な課題となっているにもかかわらず、教材や標準化されたカリキュラムが不十分であった。課題に対して基盤整備が不十分という矛盾は、現在は大きく改善されつつある。とはいえ、日本語習得の負担が大きく、日本語の習得にどう対処するかは大きな問題であると言える。

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© 2011 日本保健医療社会学会
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