保健医療社会学論集
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ヘルスコミュニケーションとヘルスリテラシー(シンポジウム「疾患対策をめぐるヘルスコミュニケーション」,<特集>第37回大会(2011年度)大阪大学)
石川 ひろの
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2012 年 22 巻 2 号 p. 16-21

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抄録

患者や市民が、自分の健康を主体的に管理し、保健医療におけるさまざまな意思決定に積極的に関わることが求められるようになる中、健康や医療に関する情報を収集し、理解し、活用する力として、「ヘルスリテラシー」という概念が注目を集めてきた。ヘルスリテラシーの定義はさまざまであるが、WHOは「健康の維持・増進のために情報にアクセスし、理解、活用する動機や能力を決定する認知的、社会的スキル」としている。これに基づき、Nutbeamは、ヘルスリテラシーを(1)機能的リテラシー、(2)伝達的リテラシー、(3)批判的リテラシーの3つから成るとするモデルを提唱した。本報告では、この観点から開発したヘルスリテラシー尺度を用いた日本における実証研究の結果を紹介する。また、患者や市民のヘルスリテラシーを把握し、それに応じた患者教育・健康教育や情報提供を行うとともに、ヘルスリテラシーの向上を目指した働きかけを行う必要性について考察する。

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© 2012 日本保健医療社会学会
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