保健医療社会学論集
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難聴の会話分析 : 聴能学における訂正方略と会話における修復の組織
秋谷 直矩
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キーワード: 聴能学, 難聴, 会話分析, 修復
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2012 年 22 巻 2 号 p. 45-54

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抄録

近年、聴能学の分野では、よりよい訂正方略の構築のために、会話分析の知見を用いる動きがある。この動向を踏まえ、本論では、高齢者介護施設において、難聴者-健聴者間の会話データを用い、分析を行った。そこからは、まず、難聴者が聞き返しを行うタイミングがずれてしまうことにより、修復の場所がうまく指し示されないということが明らかになった。そして、聞き返しの発話を「聞こえたままの音」で行った場合の相互行為の組織化の特徴についても知見が得られた。こうした知見は、すぐによりよい訂正方略の構築に寄与することは期待できないにしろ、聴能学における「訂正」の概念をとらえなおす基礎研究としての価値を有すると思われる。

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© 2012 日本保健医療社会学会
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