保健医療社会学論集
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完治困難な肝癌患者の家族が抱く死別に関するニード
内田 真紀
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2012 年 22 巻 2 号 p. 66-77

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抄録

慢性肝炎から肝癌に移行し、早くから完治が困難であることを知らされている肝癌患者家族がどのような死別に関するニードを持っているのかを明らかにすることを目的に研究を行った。面接を行った患者家族9名の逐語録と会話メモから、岡堂が示した死にゆく患者の家族の持つ8つのニードに対応すると研究者が判断した発言部分を抜き出した。家族はインターネットや新聞から病気の基礎知識を得ることで、医師の説明不足を補い病状を知りたいニードを満たしていた。患者のそばにいたいニード、患者の安楽の保障のニードは患者の死を間近に感じている家族が持っていた。医療従事者との関わりは家族にとって不足を感じるものであるが、医療従事者は忙しいので支援を得られないのは仕方がないという思いを家族は死別の時期予想の遠近とは関係なく抱いていた。

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© 2012 日本保健医療社会学会
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