保健医療社会学論集
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原著
筋ジストロフィー病棟に暮らす患者たちの経験――青年期の患者たちとスタッフの「かかわり」の経験に注目して――
石田 絵美子
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2014 年 25 巻 1 号 p. 30-40

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抄録

本研究は、筋ジストロフィー病棟で過ごす青年期の患者たちとスタッフの「かかわり」に注目して、その「かかわり」の経験がいかに成り立っているのかを記述することを目的とした。参与観察法とインタビュー法によって得られたデータを用いて、メルロ=ポンティの現象学を手掛かりに、分析し、記述した。その結果、患者たちにとって、スタッフとのかかわりは、ただ単にケアを受けるという受動的なあり方とは異なり、患者自身が受けるケアを自分の問題として捉え、ゆえに自分で「やる」という強い意志を持つことによって実践されていた。そのようにスタッフと共に作り上げる患者たちの生活の中で、彼らは、機能低下していくばかりではなく、その中にあっても新しい自己を発見し、習慣として獲得することによって、自らの世界を拡張していくと考えられた。

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© 2014 日本保健医療社会学会
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