保健医療社会学論集
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特集 在宅医療に対する保健医療社会学の視座
この20年における在宅看護の拡大
清水 準一
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2015 年 26 巻 1 号 p. 31-36

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抄録

高齢社会の進展に対応するため1990年代から在宅における看護職の活動は訪問看護を中心に徐々に拡大し、看護師・看護学生への教育体制も徐々に整備され、在宅療養者や家族に医療と生活の両面から支援を行ってきた。介護保険などが制度化され、比較的安価に自宅等で看護が利用できるようになった一方で、これらの制度化により生じたサービス提供上の〈縛り〉は在宅療養者や家族の生活に制約を与える可能性も生じている。また療養通所介護のような重度者向けの看護サービスや外来看護などについては今後も充実が必要であることや、自治体によって利用できないサービスがあるといった利用格差の問題も課題である。こうした課題を解決するために自治体が策定する医療・福祉計画が重要になると考えられ、この点において保健医療社会学者が貢献できるものと思われる。

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© 2015 日本保健医療社会学会
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