保健医療社会学論集
Online ISSN : 2189-8642
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特集 保健医療におけるコミュニケーション研究の現在――患者・医師関係研究を踏まえて/超えて
必要とする人により効果的に健康関連情報を届けるために
人々の情報探索行動の特徴からの検討
高山 智子 八巻 知香子
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2016 年 27 巻 1 号 p. 39-50

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抄録

患者自らが健康や医療に関する情報を探し活用する力は、今後ますます重要となり、近年増加するインターネットやソーシャルメディアなどの新しいメディアを介した情報による第二次の情報格差も懸念される。本研究では、健康関連の情報を得るときに、人々がさまざまな情報媒体をどのように活用しているのか、情報入手経路の特徴、人々の背景要因による情報入手経路の活用の仕方を検討し、特にインターネットを介した情報提供方法の今後のあり方の示唆を得ることを目的として検討を行った。その結果、調査協力者の3/4以上が、自分もしくは家族や周囲でがんの経験を持ち、健康あるいはがん関連の情報入手経路は、性別、年齢、教育背景、職業により異なる特徴を示した。今後はこれらの異なる背景要因を手がかりとした情報格差を是正する具体的な介入方法や実際に活用できるアプローチを検討し、情報を探し、活用できる力につながるようにしていくことが必要である。

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© 2016 日本保健医療社会学会
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