保健医療社会学論集
Online ISSN : 2189-8642
Print ISSN : 1343-0203
ISSN-L : 1343-0203
特集 保健医療社会学論集のこれまでを振り返り、今後を展望する
二つの保健医療社会学をめぐって——学際ジャンルをメンテナンスする多様性と継続性——
佐藤 哲彦
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 31 巻 1 号 p. 32-39

詳細
抄録

本稿の目的はこれまで保健医療社会学論集が果たしてきた役割について明らかにすることである。そこで本稿は、主として保健医療社会学会名義の諸研究と保健医療社会学論集に掲載された論文を題材として、日本における保健医療社会学というジャンルの成立経緯について考察し、これまで指摘されたことのない日本の保健医療社会学のローカルな発展経過を明らかにした。そしてその発展過程を明らかにする中で、これまで日本でしばしば用いられてきたSociology in MedicineとSociology of Medicineの対立とは別の形で展開したローカルな分割を、あえて保健医療社会学Aおよび保健医療社会学Bと名づけることで浮き彫りにし、その分割の存在それ自体が、多様性と継続性という点から、保健医療社会学論集および保健医療社会学会自体の活性化に果たしてきた役割を論じた。

著者関連情報
© 2020 日本保健医療社会学会
前の記事 次の記事
feedback
Top