2025 年 35 巻 2 号 p. 1-6
第50回大会のメインテーマ「『弱い』ままで生きられる社会のために」は、看護学を選んで専攻し、看護職として歩んできた著者のライフキャリアから生まれたライフテーマでもある。看護学は、健康課題という点での人の弱さに焦点をあてることができる。しかし、健康課題の解決には、看護学によるアプローチのみでは対応できないことがある。また、看護学のみでは、さまざまな要因で社会において弱くされている人への支援を考えることはできない。ただし、看護職は、社会的に弱い立場におかれた人と健康課題を有する人として出会う。したがって、保健医療社会学の視座を有する研究者は、そういう状況の人について、研究活動という形で、継続的に焦点をあて、知を開発し情報を共有し発信する必要がある。