昭和学士会雑誌
Online ISSN : 2188-529X
Print ISSN : 2187-719X
ISSN-L : 2187-719X
症例報告
脛骨開放骨折後に脂肪塞栓症候群を合併したが,治療しえた小児の1例
奥 和典藤田 詠子高井 綾子小幡 輝之金田 有里大村 梓善山 栄俊稲村 ルヰ吉江 和佳
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 73 巻 1 号 p. 48-52

詳細
抄録

14歳の男児が右側脛骨開放骨折後に脂肪塞栓症候群を発症したので,その経過を報告する.右脛骨開放骨折に対して全身麻酔下に洗浄と徒手整復が行われた.麻酔終了後2時間に発熱と軽度の意識障害を認め,急激に呼吸状態が悪化した.意識障害と両側肺野の線状陰影を認め,電撃型脂肪塞栓症と診断し,人工呼吸管理を含む集中治療を施行して治癒し得た.小児例における脂肪塞栓症の発症は稀とされているが外傷後の意識障害,低酸素血漿を認めた際には脂肪塞栓症候群の鑑別も必要であると思われる.

著者関連情報
© 2013 昭和大学学士会
前の記事 次の記事
feedback
Top