2014 年 74 巻 1 号 p. 91-95
喉頭真菌症は比較的まれな疾患であるが,本症例では抗菌薬の長期投与,高齢者,口腔乾燥,義歯装着の危険因子をもった81歳女性に発症を認めた.局所療法としての外用治療を行ったが効果がなく,声帯の肥厚を認め深在性真菌症と診断し,イトラコナゾールの内服治療を行ったが改善がなくフルコナゾールの内服にて改善を認めた.喉頭真菌症では時に気道狭窄をきたす症例も認められるため,十分な治療効果が得られない場合は,表在性か深在性かを評価し,組織移行性,薬剤感受性を考慮した抗真菌薬の変更が必要であると考えられた.