昭和学士会雑誌
Online ISSN : 2188-529X
Print ISSN : 2187-719X
ISSN-L : 2187-719X
テクニカルノート
CAD/CAMシステムを用いたオールセラミック修復物の製作法
栗山 壮一堀田 康弘宮﨑 隆
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 74 巻 5 号 p. 553-562

詳細
抄録

日常の歯科臨床では,単なる処置や投薬だけにとどまらず,様々な材料や装置を利用した修復作業が必要となる.インレーやクラウン,ブリッジ,義歯といった多様な装置を,金属やセラミックスやプラスティックなどの様々な材料を用いて,その多くは技工士の手によって製作される.しかし,超高齢化社会を迎えた今,作り手である技工士不足が大きな問題となりつつある.そうした状況を打開するためには,一般工業界で用いられてきたCAD/CAMシステム(Computer Aided Design/Computer Aided Manufacturing:コンピュータ支援設計/コンピュータ支援製造)の導入は必要不可欠であった.特に,最近では金属アレルギーの問題や,金そのものの価格変動が激しいことなどにより,金属修復物が敬遠される傾向があり,CAD/CAMシステムを用いて安定供給ができるオールセラミック修復への期待が,急速に高まりつつある.しかし,実際にCAD/CAMシステムを利用して製作されるオールセラミックス修復物は,その多くがジルコニアフレームに陶材を築盛する方式で,熟練を要する技工作業が必須となっている.そこで,われわれはさらに省力化を進めるために,この陶材を築盛する部分もCAD/CAMシステムを利用する方法を提唱してきた.そこで本稿では,歯科におけるCAD/CAMシステムを用いたオールセラミック修復物製作法について各種試験を行い,その有効性を検討したので報告する.

著者関連情報
© 2014 昭和大学学士会
前の記事 次の記事
feedback
Top