昭和学士会雑誌
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原著
非糖尿病血液透析患者における末梢動脈疾患 (Peripheral Arterial Disease:PAD) の新規発症に影響を及ぼす因子の探索的検討
廣瀬 真長谷川 毅小岩 文彦吉村 吾志夫
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2016 年 76 巻 2 号 p. 187-192

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抄録

血液透析 (Hemodialysis:HD) 患者において末梢動脈疾患 (Peripheral Arterial Disease:PAD) は一般人口と同様に冠動脈疾患や脳卒中などと強く関連し,全死亡や冠血管死亡の強力な予後因子になることが報告されている.われわれは非糖尿病HD患者においてPADの新規発症と関連する因子を探索的に検討した.PADの新規発症に関連する因子を調べるため,後ろ向きコホート研究を行った.ベースラインの下肢動脈エコーでPADを認めない単施設の非糖尿病維持透析患者106人を対象とした.5年後の下肢動脈エコーでPADの有無を評価し,PADを認めるものをPAD新規発症とした.年齢・性別・透析歴・喫煙歴・低High Dense Lipoprotein (HDL) 血症の有無・スタチン内服の有無の中からPADの新規発症に寄与する因子を探るため,ロジスティック回帰分析による多変量解析を用いて検討した.年齢・性別・透析歴・喫煙歴・低HDL血症の有無・スタチン内服の有無などの因子とPADの新規発症との関連を多変量解析で検討したところ,低HDL-cho血症のみで有意な関連が認められた (Odds ratio 1.91,95% confidence interval 1.11-3.34,p=0.02).非糖尿病HD患者において低HDL血症はPADの新規発症と関連する可能性を示唆した.

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© 2016 昭和大学学士会
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