昭和学士会雑誌
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原著
在職うつ病男性を対象とした集団認知行動療法の効果とその要因
衛藤 暁美長井 友子吉澤 徹岩波 明
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2019 年 79 巻 2 号 p. 153-164

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抄録

近年うつ病による休職者,離職者の増加が問題になっており,さまざまな取り組みが行われるようになった.その中のひとつに復職支援としての集団認知行動療法がある.効果の検討は行われているが,その効果の要因の検討を行ったものは少ない.本研究では抑うつ症状,社会機能,非機能的認知,復職状況の改善における要因を検討した.30歳から55歳の大うつ病性障害,気分変調症,双極Ⅱ型感情障害(現在,抑うつ状態)の診断基準を満たす男性患者で,休職中もしくは復職1か月以内で,退職する見込みがない者を対象とした.4〜6名の集団で1クール計10回(1セッション週1回,80分/回)実施した.先行研究ではスキーマや非機能的態度を表すDASは改善しなかったが,本研究では改善を示した.その改善要因として,集団精神療法治癒因子の「相手にどういう印象を与えるか学べたこと」,「情報取得」が抽出され,非機能的認知に基づく態度の修正に,個人精神療法にはない,集団認知行動療法独特の治癒因子が作用した可能性が示唆された.

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© 2019 昭和大学学士会
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