川崎病は亜急性期に関節症状を呈すると,若年性特発性関節炎(systemic juvenile idiopathic arthritis:sJIA)などとの鑑別が必要となり,診断が困難となる.今回われわれは亜急性期に膝関節炎を合併し,川崎病の診断が困難であった症例を経験した.各種培養検査とMRI画像所見より化膿性関節炎を否定して,サイトカインプロファイルでIL-6が高値を示し,フェリチンの上昇を認めないことから川崎病と診断ができた.川崎病に合併した関節炎とsJIAとの鑑別ではサイトカイン値の測定が有用であるが,特殊検査のため通常実施は行えず,代用として血清フェリチン値の測定が簡便に利用できる.