昭和学士会雑誌
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症例報告
左膝関節炎を続発した川崎病の一乳児例
鮫島 舞石川 琢也山下 恒聖小林 梢
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2022 年 82 巻 5 号 p. 399-405

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抄録

川崎病は亜急性期に関節症状を呈すると,若年性特発性関節炎(systemic juvenile idiopathic arthritis:sJIA)などとの鑑別が必要となり,診断が困難となる.今回われわれは亜急性期に膝関節炎を合併し,川崎病の診断が困難であった症例を経験した.各種培養検査とMRI画像所見より化膿性関節炎を否定して,サイトカインプロファイルでIL-6が高値を示し,フェリチンの上昇を認めないことから川崎病と診断ができた.川崎病に合併した関節炎とsJIAとの鑑別ではサイトカイン値の測定が有用であるが,特殊検査のため通常実施は行えず,代用として血清フェリチン値の測定が簡便に利用できる.

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