主催: 水文・水資源学会
最近世界の各地で洪水が頻発している。頻発する豪雨の原因について地球温暖化の影響があると言われているが,降水量に対しての長期的動向についてはまだ十分に解明されていない。本研究においては,著者らが提案している豪雨規模の指標(24時間降水量と1時間降水量の結合超過確率に対応する正規値と10日降水量の積)を用いて,その経年的な変化を調べるとともに,最近の各地で発生している豪雨の規模を比較した。その結果から次のことが示された。1)アメダス降水量から計算した日本における上位10位の指標の平均値は,経年的に増加している。2)最近の豪雨は,1976_から_1997年のアメダス降水量データから求めた都道府県別の指標の最大値を更新している。3)2004年の各台風の豪雨は過去の豪雨に比べても規模が大きく,台風10号における徳島県の豪雨規模はこれまでの最大値を示した。