主催: 水文・水資源学会
冬季の急激な温度上昇、流量の増加が報告されている富山県黒部川流域の黒部ダム集水域において、融雪流出モデルを構築し、水収支解析を行なった。構築されたモデルは蒸発散モデル、融雪モデル、流出モデルの3つのサブモデルから構成されており、蒸発散モデルにはマッキンク式を、融雪モデルにはDegree-day法を、流出モデルには指数関数型タンクモデルをそれぞれ用いた。指数関数型タンクモデルのパラメータ決定は、積雪の影響が無い3ヶ月間のみで行なった。その結果、降水量の推定には課題を残したものの、年間を通して高い精度で流量を推定することができた。また、冬季の流量の増加は、基底流出量の増加と密接に関わっていることが示唆された。