抄録
カンボジア国中央部の低地常緑林の小規模水流近傍において優占するCalophyllum inophyllumとDrypetes sp.について樹液流速測定を行い,単木蒸散量qと樹冠コンダクタンス(GS)を評価した.両樹種ともに,相対的にqとGSが大きくなるhigh期間と,逆に小さいlow期間を有していた.大規模な落葉の後にhigh期間が計測されたことから,樹冠の葉齢が若くなり植物生理的な活性が高くなった結果,qとGSが顕著に増加したものと考えられる.Calophyllum inophyllumは順次展葉型であるため,それぞれの期間内では飽差に対してGSの変動は小さく,Drypetes sp.は一斉展葉型であるためにその変動は大きいことが明らかとなった.