水文・水資源学会研究発表会要旨集
水文・水資源学会2016年度研究発表会
セッションID: H05
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【高校生セッション】
夏井川水系における河川水硬度と地質の関係
*生田目 渓
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抄録
福島県いわき市の地質図と夏井川水系とを重ね合わせた際、夏井川支流の上流付近の地質が川ごとにそれぞれ異なっていた。そこで、夏井川水系の河川ごとに溶け込んでいる物質のなかでも容易に測定できる硬度(カルシウムイオンとマグネシウムイオンの質量)と地質をみることにより、地質と河川に溶け込む物質の関係を調べた。
硬度の全体的な変化の傾向を見るために全硬度に着目した。また滴定値のばらつきは概ね±0.5である。 本流においては、ほとんどの全硬度が38.8~66.8mg/Lの間に収まり有意差は見られなかった。最高値は66.8mg/L、最低値は38.8mg/Lと比較的狭範囲でみられた。支流では各地点で硬度は21.4~143mg/Lと大きく異なり、全硬度の最高値は143.0mg/Lと下流域でみられた。最低値が21.4mg/Lと中流域でみられた。世界保健機構(WHO)の基準では全硬度が60mg/L毎に四段階の基準(一.0~60mg/L、二.60~120mg/L、三.120~180mg/L、四.180~mg/L)が設けられている。滴定の結果、11の支流中6の支流で60mg/L以上という基準の二段階目以上に該当する支流が存在した。また、日本の河川の半数以上60mg/L以下の全硬度になっていることからも夏井川の支流の硬度が高いと言える。
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© 2016 水文・水資源学会
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