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日本集中治療医学会雑誌
Vol. 16 (2009) No. 4 P 465-469

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http://doi.org/10.3918/jsicm.16.465

原著

近年,重症患者治療におけるアルブミン製剤使用の是非が見直されている。本邦でも血液製剤の使用指針により,単に血清アルブミン値を維持するためにアルブミン製剤を使用することは不適切とされているが,大手術後にはアルブミン製剤の使用が多くみられる。当院集中治療部では2006年4月から,食道癌術後患者で血清アルブミン値3.0 g·dl−1以上でのアルブミン製剤使用制限を開始した。今回,制限前後各1年間での術後経過,合併症について比較検討した。対象患者数は制限前後各52名の合計104名だった。投与制限により術後アルブミン製剤使用量と血清アルブミン値は有意に低下した。しかし,ICU入室日数,人工呼吸時間,病院死亡率に有意差を認めなかった。制限後は,容量負荷が必要な場合はヒドロキシエチルスターチ製剤を用いたため,腎機能への影響を懸念したが,制限前後で血清クレアチニン値に差を認めなかった。今後,多施設で十分な標本数の下に再検討が必要となるものの,本研究結果は,術後血清アルブミン値をより低値に維持しても有害事象を生じない可能性を示唆している。

Copyright © 2009 日本集中治療医学会

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