日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
溶連菌感染の関与が示唆された中毒性表皮壊死症の1例
大網 毅彦中西 加寿也大島 拓奥 怜子
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2012 年 19 巻 3 号 p. 409-413

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抄録

溶連菌感染の関与が示唆された中毒性表皮壊死症の1例を報告する。【症例】症例は38歳,男性。入院2日前から全身に皮疹を認め,近医からの投薬を受けていたが,皮疹に加え眼球口唇の発赤が出現し,当院受診となった。皮膚所見と病理所見からStevens-Johnson症候群と診断し,ステロイドパルス療法を開始した。入院3日目に皮疹が全身に拡大したため,中毒性表皮壊死症への進展と考えて,全身管理目的にICU入室となった。血漿交換に加え,免疫グロブリンと皮膚細菌培養で検出した溶連菌に対する抗菌薬投与を開始した。3日間連日の血漿交換により皮疹の拡大は一時的に抑えられたが,再び進行したためさらに3回追加施行し,以後,皮膚所見の順調な改善が得られた。【考察】本症例は薬剤の関与が否定的な中毒性表皮壊死症であり,溶連菌感染の関与が示唆された稀な1例と推察される。

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© 2012 日本集中治療医学会
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