日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
ICUにおける人工呼吸患者の自己抜管の検討
大岩 雅彦福島 臣啓角谷 隆史石川 友規石井 瑞恵佐藤 幸子奥 格時岡 宏明
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2017 年 24 巻 3 号 p. 327-331

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抄録

【背景・目的】ICUにおいて気管チューブの自己抜管は一定の頻度で起こる。当院ICUにおける自己抜管症例の頻度,再挿管率,再挿管の危険因子,合併症,予後を検討した。【方法】平成25年4月から平成27年3月までの自己抜管症例を対象とし,非再挿管群と再挿管群の2群に分け,比較検討した。【結果】対象期間で人工呼吸管理症例は590症例であった。自己抜管は41症例(7%)で生じ,データ欠落症例を除く33症例を対象とした。再挿管症例は16症例(48%)であった。自己抜管症例の再挿管率は計画抜管症例の再挿管率より高かった。慢性心不全,ノルアドレナリン使用症例で再挿管率が高かった(P<0.05)。再挿管症例はICU滞在期間が延長し,自己抜管後の合併症頻度が高かった(P<0.05)。死亡例は再挿管群でのみ認めた。【結語】循環が不安定な症例は,自己抜管後に予後が悪化する可能性が高く,慎重な管理が必要である。

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© 2017 日本集中治療医学会
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