2020 年 27 巻 3 号 p. 208-212
【目的】救命救急センターICUにおいて,peripherally inserted central catheter(PICC)留置成功率,合併症発生率を明らかにし,救急集中治療領域の患者にPICCを使用する安全性について検討する。【方法】2017年4月21日〜2018年8月24日に挿入したPICC 123件を後方視的に調査した。挿入は全例ICUの病室で行い,留置後胸部X線画像にてカテーテル先端を確認した。【結果】留置成否は成功112件(91.1%)であった。挿入時合併症はカテーテル迷入が8件(6.5%),ガイドワイヤー通過障害と動脈穿刺が各2件(1.6%),PICC通過困難が1件(0.8%)であった。留置後合併症はcatheter related blood stream infection(CRBSI)疑い13件(11.6%),カテーテル閉塞,造影剤トラブル,自己抜去が各2件(1.8%)であった。【結論】PICCは救急集中治療領域でも症状が安定すればcentrally inserted central catheter(CICC)の代替として使用できることが示唆された。