日本集中治療医学会雑誌
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原著
小児声帯麻痺に対する声帯エコー評価の有用性
金子 尚樹長谷川 智巳吉田 美苗黒澤 寛史
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2020 年 27 巻 6 号 p. 453-458

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抄録

【目的】近年,声帯エコーを用いた声帯麻痺の評価が徐々に広まりつつあり,PICUにおいて小児集中治療医が実施した小児声帯エコーの診断精度を検討した。【方法】2017年10月から2019年7月までの間に,兵庫県立こども病院PICUで術後に声帯麻痺を疑った16歳未満の患者のうち,小児集中治療医による声帯エコー検査を施行した後,耳鼻咽喉科医による喉頭内視鏡検査を施行した30症例を対象として,両検査所見を後方視的に比較検討した。【結果】抜管後に嗄声23例,吸息性喘鳴15例を認めた。抜管から検査施行までの日数[中央値]は,声帯エコー検査まで2日,喉頭内視鏡検査まで4日であった。声帯エコーで声帯麻痺あり19例,声帯麻痺なし11例と診断し,26例で喉頭内視鏡検査所見と一致した。声帯麻痺の診断における声帯エコーの感度86%,特異度89%であった。【結論】小児集中治療医による声帯エコーは,小児術後の声帯麻痺のスクリーニング検査法として有用である。

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© 2020 日本集中治療医学会
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