日本集中治療医学会雑誌
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敗血症の原因としてBacterial Translocationが示唆された中毒性表皮壊死症の1症例
小川 寛恭横田 治関 啓輔小倉 真治前川 信博
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2004 年 11 巻 4 号 p. 439-442

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抄録

74歳女性。肺炎で加療中,全身に薬疹が出現し,これが急速に表皮剥離性病変となった。表皮剥離性病変は全体表面積の約70%に及び中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis, TEN)と診断された。第8病日に敗血症性ショックとなり,一時循環動態は安定したが,第13病日に再度敗血症性ショックとなり第20病日に死亡した。血液細菌培養検査・便細菌培養検査の結果から,敗血症の原因としてbacterial translocation (BT)が示唆された。TENは長期完全静脈栄養法や抗菌スペクトルが広い抗菌薬の投与が必要になる場合が多いことと,腸管粘膜障害を起こすことからBTを起こしやすい病態と考えられる。また,TENの致死的合併症のほとんどは敗血症であり,敗血症の原因の1つとしてBTが挙げられる。この敗血症を予防するためにselective decontamination of the digestive tractによる積極的予防策が必要であると思われた。

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