日本集中治療医学会雑誌
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スズメバチ刺傷によるアナフィラキシー様ショック症例の血漿中ヒスタミンとセロトニンの推移
宮内 崇小田 泰崇鶴田 良介金田 浩太郎金子 唯笠岡 俊志岡林 清司前川 剛志
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2004 年 11 巻 4 号 p. 449-453

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抄録

スズメバチ刺傷によりショックを来した症例を経験した。症例は62歳,男性。スズメバチに体幹,四肢を18ヵ所刺され,意識障害を主訴に当院救命救急センターに搬送された。入室後エピネフリン投与,輸液負荷で全身状態は安定し,第4病日には退院した。患者はハチ刺傷の既往があったが,今回のショックの原因はIgE(immunoglobulin E)値の上昇を認めなかったこと,刺傷数が少なかったことによりアナフィラキシー様反応によるものと考えられた。本症例ではショックの原因物質検索のために血漿中ヒスタミン,セロトニン,およびその代謝産物の5-HIAAを経時的に測定し,ヒスタミンと5-HIAAの上昇が認められた。以上より本症例のショック症状にはヒスタミン,セロトニンの関与が考えられた。

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