日本集中治療医学会雑誌
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Stroke care unit (SCU)の現状と将来の展望
福地 孝明三品 雅洋小林 士郎
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2006 年 13 巻 4 号 p. 411-416

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抄録
1999年4月に当院に脳神経センターを開設して,本年で8年目になる。我々は,脳卒中ホットラインを2000年4月に近隣の病院,診療所合わせて約300ヵ所に開設した。2005年4月30日までで脳卒中ホットラインを利用して入院した患者数は149例であり,当センターの全入院患者数の3.1%に当たる。千葉県では,2001年10月より医師,看護師がヘリコプターに同乗し,患者を迅速に病院に搬送するためのドクターヘリ事業が開始されており,当院はその基地病院となっている。2001年10月27日から2004年12月31日までのドクターヘリ搬送実績は,1,650例であった。その中で当脳神経センターに入院した患者は246例と,当院搬送の22.2%であった。これら患者の救急要請から当院到着までの時間は平均28.4±6.8分(15~57分)であった。2005年10月から我が国でも認可となった急性期血栓溶解療法は,発症後3時間以内の超急性期脳梗塞患者のみが対象となり,選択基準を満たす症例が脳梗塞患者のわずか数%にすぎない。急性期脳卒中は脳梗塞に限らず発症後の時間との勝負である。今後もこれらのメリットを最大限に活用し,1人でも多くの患者の命を救い,社会復帰を目標として,レベルの高い医療を提供していきたいと願っている。
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