日本集中治療医学会雑誌
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一酸化窒素とプロスタグランディン吸入療法
岡元 和文
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1997 年 4 巻 4 号 p. 335-345

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抄録

一酸化窒素(NO)吸入は新生児呼吸窮迫症候群への効果が明らかにされ新生児集中治療の現場では必要不可欠な治療法となりつつある。また,NO吸入は肺高血圧や換気血流不均等分布の改善以外に,肺毛細血管圧の降下,肺血管透過性抑制,肺への白血球集積・粘着抑制,血小板凝集・粘着の抑制,肺高血圧性血管病変の進展抑制などの新たな作用を持つことが明らかにされ,急性呼吸窮迫症候群や肺高血圧症の重症化予防法として注目されつつある。NO吸入による酸素化改善効果の予測法や効果増強法なども明らかにされつつあるが,誰でも簡単に施行できる確立されたNO吸入装置がない。NO吸入療法の代替手段として研究されたプロスタグランディン吸入療法も確立されていない。両療法とも毒性と副作用に注意し,患者の同意と十分な施設単位の認可の後に施行すべきである。

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