日本集中治療医学会雑誌
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ICUにおいて呼吸管理を必要としたカジモド症候群の2症例
御川 安仁中村 貴子内田 寛昭馬場 三和下田 豊越智 辰清石井 史子若林 隆信
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1999 年 6 巻 2 号 p. 139-146

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抄録

脊椎後側弯症に睡眠時呼吸障害を合併し,呼吸不全,肺性心,右心不全にまで至ったカジモド症候群(Quasimodo syndrome)2症例を経験した。症例1は40歳の女性で,気管内挿管後,圧支持換気,呼気終末陽圧により低酸素,高炭酸ガス血症,呼吸筋疲労,そして睡眠時呼吸障害への対処を行った。ICU退室後は鼻マスクによるbi-level positive airway pressure (BiPAPTM)を用い良好な結果を得た。症例2は44歳の女性で,症例1同様人工呼吸管理を始めたが,早期に抜管しBiPAPTMを用い管理し得た。睡眠時無呼吸症候群や睡眠時肺胞低換気症候群は自覚症状がないため,その存在を見逃さないことが大切と思われた。またカジモド症候群に対し,BiPAPTMによる管理の有効性が示唆された。

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